不動産登記法の原本還付(原本還付可能が原則)
原則として原本還付可能です。 (不登規55条1項本文)
ただし、原本の返却を受けることができない書類もあります。
・登記義務者の登記識別情報通知書
・登記義務者の印鑑証明書
・登記の申請のためにのみ作成された書面(委任状、報告書形式の登記原因証明情報など)
これらは原本還付できません。
(添付書面の原本の還付請求)
第55条
1.書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。
※原本の還付を請求する申請人は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければなりません。(不登規55条2項)
例外①:印鑑証明書
【原本還付できない印鑑証明書】
・申請書に押印した印鑑の印鑑証明書
・委任状に押印した印鑑の印鑑証明書
・第三者の同意または承諾を証する書面に押印した印鑑の印鑑証明書
・裁判所で選任された者が申請書または委任状に押印した印鑑の裁判所書記官の証明書
・裁判所で選任された者が第三者の同意又は承諾書に押印した印鑑の裁判所書記官の証明書
【原本還付できる印鑑証明書として覚えておきたいもの】
・遺産分割協議書に押印した印鑑の印鑑証明書は原本還付できます。
例外②:登記の申請のためにのみ作成された書面
・登記申請のためにのみ作成された委任状
・登記申請のために作成した報告書形式の登記原因証明情報
・資格者代理人による本人確認情報(登記識別情報がないときに使うもの)
商業登記法の原本還付(原本還付可能)
書面申請の場合は原本還付できます。例外はありません。
試験に出るかもしれない注意点として、電子申請の場合は原本還付できません(そもそも原本還付という概念がないため)。
供託法の原本還付(原本還付可能が原則)
- 配当その他官庁又は公署の決定により払渡請求する場合の官庁等から交付された支払証明書
- 代理人の権限を証する書面
→代理人の権限を証する書面は、官公庁が作成したものなら原本還付可能
不動産登記法と供託法の「3か月」の違い
不動産登記法の印鑑証明書の3か月は?
登記申請意思の確認のために提供する印鑑証明書は作成後3か月以内のものを添付する
供託法の印鑑証明書の3か月は?
当該承諾書の作成前3か月以内又はその作成後に作成された、承諾書に押された印鑑につき市町村長又は登記所の作成した証明書を併せて添付しなければならない(供規24条2項1号)