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宅建業法(宅建試験向け)法律の勉強

免許の欠格事由③ 破産・未成年・心身の故障と役員・使用人

欠格事由の3つ目のグループは、申請する本人の状態や能力に関するものと、本人のまわりの人(役員や使用人など)に関するものです。ここまでの2つのグループは過去の行為が中心でしたが、このグループは「今の状態」が問題になります。

欠格事由の全体像は免許の欠格事由:全体像、刑罰・暴力団関係は欠格事由① 刑罰・暴力団関係、免許取消し・不正行為は欠格事由② 免許取消し・不正行為からの5年で説明しています。

この記事のポイント

  • 破産手続開始の決定を受けて、復権を得ていない人は免許を受けられない。復権すれば、すぐに受けられる
  • 心身の故障は、個別の審査で判断される。成年被後見人というだけでは欠格にならない
  • 未成年者は、営業に関して成年者と同じ能力がない場合、法定代理人が欠格事由に当たらないかが問われる
  • 法人の役員や、政令で定める使用人が欠格事由に当たる場合も、免許を受けられない

①破産手続開始の決定を受け、復権を得ていない人

破産手続開始の決定を受けて、復権を得ていない人は、免許を受けられません。お金の管理が困難な状態にある人に、顧客の財産にかかわる宅建業を任せるのは危険だからです。

ここで大切なのは、復権を得れば、すぐに欠格事由に当たらなくなる点です。「復権から5年」などの待つ期間はありません。免責の許可の決定が確定したときなどに、復権が認められます。

②心身の故障により宅建業を適正に営めない人

精神の機能の障害により、宅建業を適正に営むために必要な認知、判断、意思疎通を適切に行えない人は、免許を受けられません。

かつては、成年被後見人や被保佐人であることが、一律に欠格事由とされていました。現在は、法改正により、これらに当たるというだけでは欠格事由にならず、実際に宅建業を適正に営むことができるかを個別に判断する形になっています。

③未成年者と法定代理人

未成年者であること自体は、欠格事由ではありません。未成年者でも、免許を受けることはできます。ただし、次のように扱われます。

  • 営業に関して成年者と同じ行為能力を持つ未成年者(営業の許可を受けた人など):本人について、欠格事由があるかを判断する。
  • 営業に関して成年者と同じ行為能力を持たない未成年者:本人に加えて、その法定代理人(親権者や未成年後見人)が欠格事由に当たらないかも判断する。

つまり、営業の許可を受けていない未成年者が免許を申請した場合に、法定代理人が欠格事由に当たると、免許を受けられません。

④役員や政令で定める使用人が欠格事由に当たる場合

申請者本人が欠格事由に当たらなくても、まわりの人が当たっていれば、免許を受けられません。確認の対象は次のとおりです。

申請者 あわせて確認される人
個人 本人、政令で定める使用人(未成年者の場合は法定代理人も)
法人 法人自身、役員、政令で定める使用人

確認されるのは、これまで学んだ欠格事由のすべてです。刑罰、暴力団関係、免許取消し、不正行為のほか、破産、心身の故障、不正・不誠実のおそれなどです。たとえば、法人の取締役の1人が拘禁刑を受けて5年を経過していなければ、その法人は免許を受けられません。

「役員」と「政令で定める使用人」の範囲

役員とは、業務を執行する社員、取締役、執行役、またはこれらに準ずる人のことです。相談役や顧問など、名称にかかわらず、法人に対してこれらの人と同等以上の支配力を持つと認められる人も含まれます。

政令で定める使用人とは、事務所の代表者のうち、契約を締結する権限を持つ人(支店長や営業所長など)のことです。「事務所」とは?本店・支店・継続的業務を行う場所で学んだ、契約締結権限のある使用人と同じ考え方です。一般の従業員は対象に入りません。

このグループのまとめ表

欠格事由 ポイント
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない 復権すれば、すぐに欠格でなくなる
心身の故障により適正に営めない 個別に判断。成年被後見人というだけでは欠格でない
未成年者(営業に関する行為能力なし) 法定代理人が欠格事由に当たらないかを確認
役員・政令で定める使用人が欠格事由に当たる 法人(または個人)は免許を受けられない

試験でのポイント

  • 破産者は、復権を得れば、直ちに免許を受けられます。復権から5年は待ちません。
  • 成年被後見人や被保佐人であることだけでは、欠格事由になりません。
  • 未成年者であること自体は欠格事由ではなく、営業に関する行為能力がない場合に、法定代理人が確認されます。
  • 役員の1人が欠格事由に当たれば、法人は免許を受けられません。
  • 政令で定める使用人は、支店長など契約締結権限のある人です。一般の従業員は対象外です。
  • 宅建士の登録にも、似た欠格事由があります。宅建士の登録の要件と欠格事由と比べておくと整理しやすくなります。

確認問題

次の記述が正しければ○、誤りなら×で答えてみましょう。

破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない人は、免許を受けられない。(答えを見る)

○。復権を得ていない破産者は、欠格事由に当たります。

破産者が復権を得た場合でも、復権の日から5年を経過するまでは、免許を受けられない。(答えを見る)

×。復権を得れば、直ちに欠格事由に当たらなくなります。

成年被後見人であれば、それだけを理由に、免許を受けられない。(答えを見る)

×。成年被後見人であることだけでは欠格事由にならず、個別に判断されます。

営業に関して成年者と同じ行為能力を持たない未成年者が免許を申請した場合、その法定代理人が欠格事由に当たるときは、免許を受けられない。(答えを見る)

○。この場合は、法定代理人も欠格事由の確認対象になります。

法人の支店長(政令で定める使用人)が欠格事由に当たる場合でも、法人の役員が欠格事由に当たらなければ、その法人は免許を受けられる。(答えを見る)

×。政令で定める使用人が欠格事由に当たる場合も、法人は免許を受けられません。

まとめ

  • 破産者は、復権を得ていなければ免許を受けられない。復権すれば直ちに受けられる
  • 心身の故障は個別に判断される
  • 未成年者は、営業に関する行為能力がなければ法定代理人も確認される
  • 役員や政令で定める使用人が欠格事由に当たれば、免許を受けられない

次は、4つ目のグループである事務所・専任の宅建士に関する欠格事由を、欠格事由④ 事務所・専任宅建士の要件不備で学びましょう。全体の流れは宅建業者になる:定義・免許・事務所・宅建士から確認できます。

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